カーボンニュートラル実現に向けて、政府や自治体が各種さまざまな政策を採用しています。こうした動きを追い風に、クリーンエネルギーを利用した「電気自動車(Electric Vehicle 以下 EV)」の普及が加速しています。本記事では、EV普及の要となるEV補助金とはどのようなものなのか、実際にEV補助金はどう適用できるのか、車両本体だけなのか、充電器やその他設備等にも適用できるのかなど、主に事業者の方向けに、その具体的な内容についてご紹介します。
■インデックス
- EV補助金とは
- EV補助金の種類
- 補助金の金額と条件
- EV補助金の申請期間
- 補助金をどう選ぶ?
- まとめ:REXEVがトータルサポート
1. EV補助金とは
EV補助金は、電気自動車(EV)の導入を促進するために政府や国、地方自治体が提供する支援のことです。補助金に似たもので、助成金や交付金、協力金などもあります。
EV補助金の具体的な内容や条件は、国(各省)や地域(地方自治体)によって異なります。通常、EVの購入や充電器の設置など、EVに関連する費用の一部を補助する形で提供されます。
EV補助金の対象は、車両本体のみではありません。EV車両を購入した際に、EV運用に不可欠な充電設備を設置した場合に、その充電設備の費用を一部負担してくれる補助金、また、公用車·社用車EVを活用してカーシェアする事業を対象にした補助金など、EVに関連した事業に対して支給するEV関連補助金があります。
実際にEVを導入しようとお考えの事業者といっても、その導入方法や活用方法は、事業者のビジネス環境により異なります。既存のEVに充電器を配備したい、あるいは太陽光発電設備も取り入れてEV導入したい、社用車EVをカーシェアして地域のクリーンな街づくりに貢献したいなど、ご要望は様々かと思います。
EV補助金やEV関連補助金にはどのようなものがあるのか、どこまで適用できるのか。また補助金に似たようなもので、国や自治体によるEV関連事業に対する助成金・協力金には、どのようなものがあるのか。
以下では、その内容をまず種類別に見ていきます。
2. EV補助金·その他助成金等の種類
事業者が適用できるEV補助金には、大きく分けて国の補助金と地方自治体の補助金があります。経産省のCEV補助金は最大で85万円、また東京都のZEV補助金は最大で45万円の補助金が支給されます。
国の補助金 | |
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①経産省のCEV補助金*1 | 車両本体 (最大85万円補助) |
②経産省の充電インフラ補助金 | EV充電設備 (充電器・設備設置費50〜100%補助) |
地方自治体の補助金(東京都の場合) | |
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①東京都 ZEV補助金*2 | 車両本体 (最大45万円補助) |
②東京都ZEVカーシェア補助金 | カーシェア (最大75万円補助) |
通常、上記2つ(国の補助金+地方自治体の補助金)を併用します。
たとえば、
社用車としてEVを購入した場合、
の2つで最大130万円をEV車両本体に、適用できます。
*1 CEV補助金:CEVとは、Clean Energy Vehicle=環境に優しい車両のこと。 CEV補助金は、このクリーンエネルギー自動車を購入した際に、国から交付される補助金のこと。
*2 ZEV補助金:ZEVとは、Zero Emission Vehicle=CO排出量0の自動車のこと。ZEV補助金は、このZEV:電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV))の普及促進のため、東京都が車両購入費の一部を交付する補助金のこと。
–助成金–
上記の補助金以外に、補助金に似たもので、地方自治体の助成金があります。東京都の助成金は、車両本体で最大45万円、充電設備は普通充電器の場合、50%補助が支給されます。
東京都の助成金 | |
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①東京都 EV助成金 | 車両本体 (最大45万円補助) |
②東京都 充電設備助成金 | EV充電設備 普通充電器50%補助 ※機種ごとの上限あり 設置工事費
|
③東京都 V2B助成金 | ビル等への充放電設備(V2B)
設置工事費
|
④東京都カーシェア助成金 | カーシェア (最大75万円補助) |
地方自治体の助成金は、国・地方自治体の一部補助金と併用が可能です。東京都の場合、ZEV補助金で補助の対象と認められたものに関して、助成金が認められます。
たとえば、
EV車両を導入して充電設備(普通充電器30万円)を配備する場合、
補助金最大145万円を適用できます。
3. 補助金は具体的にいくら?
では、実際に補助金の額・補助率はどのくらいなのでしょうか。
以下では、2024年4月15日現在の補助金、助成金の最新情報をまとめました。
国の補助金 | |
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①経産省CEV補助金(車両本体) | 最大85万円 |
②経産省 充電インフラ補助金(EV充電設備) | 購入費用 50%まで |
地方公共団体(東京都)の補助金 | |
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①ZEV補助金(車両本体) | 最大45万円 |
②ZEVカーシェア(カーシェア用EV) | 最大75万円 |
東京都の助成金 | |
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①EV助成金(車両本体) | 最大45万円 |
②充電設備助成金(EV充電設備) | 普通充電設備 50%補助 設置工事費
|
③V2B助成金(ビル等への充放電設備) | V2B充電設備
設置工事費
エネルギーマネジメント設備
|
④カーシェア助成金(カーシェア) | 最大75万円 |
上記は基本の補助額の上限をまとめています。そのほかに上乗せ額がある場合もあり、また、その他の条件等によって補助額は異なってきます。
REXEVでは、お客さまの条件等を適切に把握し、複雑な補助金の仕組みの中からお客様が受けられる補助額を算出し、お客様にとって最適な補助金をご提案しております。
4. EV補助金の申請期間
補助金の申請期間は、種類ごとにそれぞれ定められています。
補助金の適用を希望する場合は、その申請期間内に申し込みが必要です。また、申請期間内でも、補助予算額の上限に達した時点で申請受付を終了する場合もあります。
以下では、令和6年4月15日時点での各種補助金等の申請期間(2024年最新情報)をまとめました。
国の補助金 | |
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経産省CEV補助金(車両本体) | 令和6年5月以降の新規登録車両 初度登録(届出) 日から1ヶ月 (例:5月10日に登録なら6 月 9 日までに申請) |
経産省 充電インフラ補助金(EV充電設備) | 令和5年度補正·令和6年度当初予算 1期目の募集
2期目の募集
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地方公共団体(東京都)の補助金 | |
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ZEV補助金(車両本体) | 令和6年4月26日から令和7年3月31日まで |
ZEVカーシェア(カーシェア用EV) | 令和6年4月26日から令和7年3月31日まで |
東京都の助成金 | |
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EV助成金(車両本体) | 令和6年4月26日から令和7年3月31日まで |
充電設備助成金(EV充電設備) | 令和6年4月26日から令和7年3月31日まで |
V2B助成金(ビル等への充放電設備) | 令和6年4月26日から令和7年3月31日まで |
カーシェア助成金(カーシェア) | 「わ」ナンバー |
経産省 充電インフラ補助金(黄色ハイライト)の2023年度分は、申請開始からわずか2ヶ月ほどで予算の上限に達し、締切り前に受付終了になりました。
2024年度分に関しては、充電インフラ補助金を昨年に比べて倍近くの360億円にすると経産省は発表しています。
※令和5年度補正予算·令和6年度当初予算案「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電·充てんインフラ等導入促進補助金」
令和6年度の 1回目の募集は5月〜6月、2回目は8月〜9月中旬を予定しています。
また、補助対象事業者の決定方法ですが、令和6年度から、これまでの申請順ではなく充電設備の出力性能を考慮することになり、出力性能が高いものから優先的に補助が決定します。
5. 補助金をどう選ぶ?
EV補助金は、EV導入のみの場合、EV導入をして充電設備も設置した場合など、ケースに応じて適用できる補助金の種類が異なる、ということがお分かりいただけたかと思います。
また、一つのケースでも適用できる補助金の種類が複数ある場合があります。
たとえば「EV+充電設備(充放電設備)を導入」というケースを見てみます。
この場合、適用できる補助金が複数あり、選び方によって補助額も異なってきます。
充電器に適用できる補助金のパターンの例として、上記2つがあります。
そして、適用する補助金によって補助額が以下の通り異なります。
東京都充電設備助成金の場合、
充電器の補助率が50%(機種ごとの上限あり)
東京都V2B助成金の場合、
充電器の補助額は
〈1基目〉50%(上限 125万円)、
〈2基目〉75%、
〈3基目以降〉全額
です。
また、設置工事費の補助額も、
東京都充電設備助成金の場合、
1基目が135万円、
2基目以降は、68万円/基
東京都V2B補助金の場合、
1基目が50%(最大125万円)、
2基目75%(上限187.5万円)、
3基目以降全額(上限250万円/基)
となっています。
補助金 | 充電器(機器) | 充電器(工事) |
---|---|---|
経産省CEV補助金 | 半額 (機種ごとの上限あり) | 上限額
|
経産省CEV補助金 |
| 上限額
|
このように、充電器を3基以上導入する場合など、充電器の導入数が多い場合には、東京都V2B助成金の方が補助金の交付額が多くなります。
このほか、補助金を選ぶ際に、補助金の種類によって要件が異なることにも注意が必要です。
たとえば、東京都V2B助成金の場合、
充電器1台につきEV1台を保有もしくは購入予定であること、または、充電器にエネルギーマネジメントシステムが搭載されていてデマンド制御ができること、などが要件になっています。
このように、一口に補助金といっても、適用できるものが複数あったり、要件・申請期間が異なったりと複雑です。
EV導入の際に、充電設備も導入するのか、社用車EVをカーシェアするのか、どこまで費用が出せるのか、適用できる補助金を見極め、どの補助金・助成金等を利用するのか、EVの活用方法など自社の方向性やビジネス環境をも踏まえて補助金を決定する必要があります。
6. まとめ:REXEVが補助金申請もサポート
REXEVでは、お客様のご要望を適切に把握して、複雑な補助金の中から、現時点でのお客様がご利用できる補助金をご紹介し、最適な補助金を選定します。その上で、補助金を考慮しつつ、お客様にとってベストのEV導入・運用サービスをご提案させていただいております。
また補助金の申請手続きに関しても、REXEVならサポートしております。
補助金の相談をしたい、または補助金を踏まえた上で費用を抑えられるサービスを知りたいなど、EV導入にあたってご質問等ございましたら、まずはお気軽にご相談ください。
*参照HP
補助金
経産省CEV補助金
https://www.cev-pc.or.jp/hojo/cev.html#guide
経産省CEV充電インフラ
https://www.cev-pc.or.jp/#no02
https://www.cev-pc.or.jp/hojo/juden_pdf/R4ho/yobi_juden_tebiki_4.pdf
環境省 再エネx EV+カーシェアor防災拠点への補助金
https://www.env.go.jp/content/000122482.pdf
東京都ZEV補助金
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/03/28/11.html
東京都ZEVカーシェア
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/03/28/12.html
交付金
環境省 重点対策加速化事業交付金
https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/assets/grants/2-3-CDS-jisshi-yoko-ex2-juten-taisaku-taisho-yoken-230113.pdf
助成金
東京都EV助成金
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/ev
東京都R6充電設備助成金
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/all-evcharge
東京都 V2B助成金
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/all-evcharge
ZEV R6カーシェア
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/03/28/documents/34_01.pdf
経産省CEV EV補助金 令和5年度補正予算
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/r5hosei_cev.html
経産省CEV 充電インフラ 令和5年度補正予算
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/r5hosei_infrastructure.html
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/r5hosei_hojokingaiyou.pdf
環境省 環境省 再エネx EVカーシェア·防災拠点強化 申請期間
https://rcespa.jp/offering/20230324_01