【2023年最新情報】どうやって選べばいいの?
社用車/公用車をEV(電気自動車)へ切替えする際の選び方
1. どのように適切なEV(電気自動車)を選べばいいか、分かりますか?
2. 走行距離を考慮の上、適切な車両を選ぶ必要があります
3. 2年でEV車のコストがガソリン車を逆転する車も存在します
4. 放電できるか
5. CO2削減効果はどれくらいあるか
6. 保証やメンテナンスは従来通り
7. おわりに
1. どのように適切なEV(電気自動車)を選べばいいか、分かりますか?
最近、電気自動車(以下、「EV」)の導入に関する問い合わせが増えています。特に、脱炭素に向けた目標を掲げる法人や自治体からの問い合わせが多い傾向にありますが、現在ガソリン車を使用している方々の中には、どのEVを選べばいいのか分からない人が多いように思われます。
そこで、このコラムでは、社用車/公用車をEVに切り替える際に考慮すべきポイントを紹介します。環境に配慮したEV選定には、車両の運転距離や充電時間などを考慮する必要があります。
弊社ではEV導入支援として、EV選定シミュレーションを無料で実施しております。
詳細をご検討されたい方は、お気軽に、お問い合わせください。
2. 走行距離を考慮の上、適切な車両を選ぶ必要があります
まず、EV導入に何よりも大切なポイントは、平常時の一日の走行距離を途中充電なしで走行可能か分析することです。
昨年発売された軽EVの満充電時の走行距離は約180km。毎晩、家や会社で充電するユーザーであれば、毎日100km程度は心配なく走れます。一方、毎日200km以上を走るユーザーの場合には、途中充電が必須です。軽EVで満足できない場合、長距離走行が可能な、バッテリー容量が大きい車両を選択する必要がありますが、車両価格も上がるので考慮すべき点となります。
EVを選ぶ際には、普段の一日の走行距離を考慮の上、適切な車両を選ぶ必要があります。もちろん突発的に遠出する場合もありますが、その場合は途中充電の設備を利用することで十分な場合もありますので、頻度を考慮して決めるといいでしょう。
また、車両を使用していない時間に必要な充電ができる必要があります。自動車の稼働率は、一般家庭では平均5%程度、営業車でも平均30%と言われています。つまり、一般家庭であれば95%の時間、営業車であれば平均70%の時間は駐車場に停まっていることになります。この停まっている時間に充電できれば、外出中に充電する必要性は大幅に減ります。そのため、充電器の選定や充電状況の管理が、とても重要になります。これらを考慮の上、EVや充電器を選ぶ必要があります。
所有する敷地内で充電できることは、ガソリン車とEVの大きな違いです。うまく運用することで、ガソリンスタンドに給油に行っていた時間を大幅に削減できることになるので、そういった総合的な費用対効果を考えることも大切です。各自の利用スタイルに合わせて、EV導入を検討してみてください。
3. 2年でEV車のコストがガソリン車を逆転する車も存在します
次に、EV導入をした場合の経済合理性について維持費と補助金を踏まえて考えてみましょう。
まず、導入コストについてです。一般的な社用ガソリン車の新車価格は100~300万円、EVは300~600万円が相場で購入費だけで2倍近くの価格差があります。前述のEVを充電する充電器の設置も必要になります。
次に燃料費について考えましょう。電力料金25円/kWh、ガソリン価格は約160円/L、ガソリン車の燃費は平均22km/L、日産リーフの電費は7km/kWhの前提とすると、営業車が一日に走る距離は50km~100kmからひと月で2,000km走るとする。2,000kmを走行する場合、ガソリン車は約14,500円、EVは約7,100円となりEVの方が約2倍のコストを抑え、1年間で約88,000円を削減できます。これは長距離を走る車両ほどEVの方がお得になります。
最後に、補助金について考えましょう。自動車を購入すると自動車税・自動車重量税・環境性能割の税金がかかります。しかし、EVの場合にはグリーン化特例とエコカー減税によってガソリン車よりも税金を抑えることが可能です。特に自動車税においてEVの排気量はゼロ区分にあたり、グリーン化特例により75%軽減され、クリーンエネルギー自動車補助金により約85万円の支援金を受け取れます。
- グリーン化特例:新車登録年度の翌年度分の自動車税が概ね75%軽減される制度のこと
- エコカー減税 :新車登録時と初回車検時の自動車重量税が免除
- 環境性能割 :自動車取得時の税金がEVは非課税
EV導入にあたり、導入費用はガソリン車よりも高くなりますが、燃料費や税金などの維持費は大きく抑えられます。これにより、利用形態によっては数年でトータルコストが逆転する車両もあります。現状車両の導入コストと利用状態から算出されるランニング費用を踏まえて、経済的合理性があるかどうかを判断しましょう。
4. 放電できるか
EVを買うメリットとして、非常用電源として使える点があります。
非常用電源として使うためには、車両から放電ができる車両を選定する必要があります。現状、欧米の主要メーカーが発売したEVにはほとんど未だ少数派です。一方で、日本のメーカーの車両はほとんどが放電に対応しており、この10年、欧米を中心にEVからの放電を使った実証が行われてきましたが、実は、そのほとんどが日産リーフを使って行われています。EVからの放電は日本のお家芸なのです。
ある実証実験では、日産サクラのバッテリーから給電して3階建ての建物内のエレベーターを動かしたり、オール電化の家庭では日中に太陽光発電で充電して夜間に利用したりすることもでききます。
また、充電器も放電ができるタイプのものを導入する必要があり、非常時にEVから放電した電源をどの電気製品に使うかなど、事前に詳しい工事会社とよく相談する必要があります。
5. CO2削減効果はどれくらいあるか
EV導入の背景に脱炭素があれば、CO2削減効果がどのくらいあるかを把握する初期見積もりが重要となります。例えば、車両台数が多い業種であればCO2の削減効果は大きいですが、そうでない業種であれば全体に対する削減効果はあまりない場合があります。特に営業が主体の企業では、数百台のガソリン車をEV車に変更することでCO2は格段に小さくなるでしょう。
しかし、工場などを抱える企業では、車のCO2が削減しても多くを占める工場が影響し削減効果が小さくなることもあります。このようなクライアントに対しての、EV導入支援も実績が豊富にありますので、お悩みの方がいれば、その観点からもご相談ください。
また、CO2削減の取り組みはCSRの観点からも高く評価されることがあり、EV導入は大きなメリットがあります。導入を検討される際には見積もりと燃費を加味したCO2計算が重要となります。
EVを導入する台数や車両の利用状況を加味して、どの程度CO2削減が可能か事前に効果を確認したうえで、導入を決定する必要があります。
6. 保証やメンテナンスは従来通り
保証やメンテナンスが従来のガソリン車通りなのかどうかも気になるところだと思います。保証の面で大きく異なるのはバッテリーの保証でしょう。日産のEV保証では「電気自動車特有部品」に区分されるものに関して、5年または10万km走行時のどちらか早い方を保証期間としています。特にリチウムイオンバッテリーについては、容量低下や耐久性の向上から、バッテリー容量は8年16万kmを保証しています[1]。トヨタでは、バッテリー容量が70%以下は新車登録日から10年、その期間内で20万kmと定めています[2]。いずれにせよ、車両の利用状況から保証は十分か確認が必要です。
参考文献
[1] メンテナンス・保証, NISSAN, 2023/02/07(閲覧日時)
[2] お問い合わせ・よくあるご質問「電気自動車の駆動用バッテリーの寿命を教えて。」, TOYOTA, 2023/02/07
メンテナンスについては、基本的にはガソリン車に比べて定期的なメンテナンスが必要な部位は少ないとされております。理由としてはエンジン回りのメンテナンスがないためです。通常のメンテナンスはガソリン車のメンテナンスができるところに委託すれば、それほど難しくないですが、バッテリーの故障などは特殊な技能が必要なので、ディーラー等に相談しましょう。
7. おわりに
社用車・公用車をEVに切り替える際には、適切なEVを選定することが重要です。選定の際には、以下のポイントを考慮することをおすすめします。
- 走行距離や充電インフラの状況に応じて、EVの航続距離や充電時間を考慮する
- 導入コストとランニングコストを考慮の上、経済合理性があるかどうかを判断する
- 非常時の電源として活用したい場合は、放電ができるモデルを検討する
- CO2削減の効果が目論見通りあるのか見積ったうえで導入する
上記の検討を現在所有している車両に対して全て行うのはかなり骨の折れる作業です。
弊社ではEV選定シミュレーションを無料で実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
EVの導入により、環境に配慮した車両の選定が求められるようになっています。適切なEVの選定により、地球環境の保護に貢献しましょう。
社用車/公用車の導入を検討されている方向け
EVの導入・活用の課題を解決する「EV導入支援サービス(Flemobi-フレモビ)」