電力需給逼迫時にEVの電力を活用することを実用化!
~今夏から関東エリアの調整力として提供開始~
株式会社REXEV(本社:東京都千代田区、社長:渡部 健、以下「REXEV」)と株式会社エナリス(本社:東京都千代田区、社長:都築 実宏、以下「エナリス」)は、電源I’厳気象対応調整力*1として、電気自動車(以下、「EV」)に蓄えられた電気を活用した調整力の提供を今夏から開始します。
本取り組みは、電力の需給ひっ迫時にEVに搭載された蓄電池から電力を取り出し、EV設置の需要場所の電力を賄うことで、系統からの電力量を抑制し、安定供給に貢献するものです。
これまで、EVのような容量の小さい分散型電源を調整力に活用することは、技術面からもビジネスモデルの面からも課題がありました。REXEVとエナリスの両社は、2021年度に共同で実証事業を展開してきましたが、このたび電源Ⅰ´厳気象対応調整力として今夏から実用に供することといたしました。
■取組概要
REXEVは、エナリスからの指令を受けて、EVを制御します。「eMMP」*2を活用し、遠隔制御でEVから電気を放電させ、需要場所の電力需要を抑制します。REXEVが小田原・箱根エリアを中心に展開しているカーシェア事業で運用している車両を活用し、カーシェアとして使用されていない時間帯を利用して調整力を提供します。将来、eMMPと連携されるEV全てを対象に拡大していく予定です。
エナリスは、アグリゲーターとして、REXEV制御のEVも含めて1,000kW以上の容量に束ね、一般送配電事業者に対し調整力の提供を行います。自社のVPP*3システムを活用して、REXEVおよびその他分散電源を有する顧客等に対し系統からの電力量を抑制するよう指令を送信。VPP技術で複数の分散電源を束ね、EVのような数kWの分散電源でも調整力としての活用を可能にします。
*1 電源I’厳気象対応調整力
主に10年に1回程度の厳気象(猛暑および厳寒)等による需給ひっ迫時に、需給バランスを保つための調整力を、一般送配電事業者が公募により確保するものです。
*2 eMMP(eモビリティマネジメントプラットフォーム)
REXEVが提供する、「カーシェアリング」と「エネルギーマネジメント」を組み合わせたソフトウェアと、車両や充電器に設置した「IoT デバイス」が連携した、国内初の統合型プラットフォームです。本プラットフォームは EV導入が進む各サービス事業者のシステムと連携を行うことで、eモビリティのエネルギーマネジメントも可能とします。(REXEV社2021年3月2日ニュースリリース参照)
*3 VPP(仮想発電所:バーチャルパワープラント)
工場や家庭などが有する分散型のエネルギーリソース一つ一つは小規模なものですが、IoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術によりこれらを束ね(アグリゲーション)、遠隔・統合制御することで、電力の需給バランス調整に活用することができます。この仕組みは、あたかも一つの発電所のように機能することから、「仮想発電所:バーチャルパワープラント(VPP)」と呼ばれています。VPPは、負荷平準化や再生可能エネルギーの供給過剰の吸収、電力不足時の供給などの機能として電力システムで活躍することが期待されています。(出典:資源エネルギー庁HP)