社用車/公用車として電気自動車を導入するメリット・デメリット

電気自動車の導入
2022.08.24

社用車/公用車として電気自動車を導入するメリット・デメリット

本記事では、法人が営業用で活用する社用車や自治体が利用する公用車として電気自動車を導入するメリット・デメリットをご紹介します。

【社用車/公用車として電気自動車を導入するメリット】

エネルギー充填の手間がなくなる

基本知識として、電気自動車の充電方法には以下3つの分類があるとされています。

  • 基礎充電 :車両の保管場所での充電
  • 経路充電 :サービスエリア、スタンドなど移動途中での充電
  • 目的地充電:宿泊施設、商業施設などの目的地での充電 

 

ガソリン車と同じ考え方では、「経路充電」を選択しがちですが、電気自動車の場合は「基礎充電」が経済的にも手間的にも最もおすすめです。自社設備にて既に配備されている「電線/受電設備」というインフラを使って、自由に好きな時間にエネルギー充填ができます。それにより、給油の手間、給油経費精算の手間、燃料消費量把握の手間などを削減することができ、関連業務を簡便化することができます。

 

エネルギーコストが下がる/自ら作ることもできる

2022年8月現在、ガソリン車の走行コストは約11.3円/km、電気自動車の走行コストは約4.3円/kmとなり、ガソリン車と比べエネルギーコストを約60%削減できることにとなります。(※1)
また、自家消費型の太陽光発電設備などを自施設内にすることで、コスト変動リスクをおさえるとともに、よりエネルギーコストを削減することができます。

※1:ガソリン車燃費を15km/l、ガソリン価格を170円/l、電気自動車電費を6km/kWh、電気料金単価を25.91円/kWh(東京電力エナジーパートナー業務用電力の夏季単価および2022年8月の燃料費調整単価、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価の合計)として算出

脱炭素化を進めることができる

2022年8月現在、ガソリン車のCO2排出量は約0.155kg-CO2/km、電気自動車のCO2排出量は約0.075kg-CO2/kmとなり、CO2排出量を約50%削減できます。(※2)
さらに、調達する電気を再エネ電気に切り替える、非化石証書を購入する、自家消費型の太陽光発電設備などを自施設内に設置するなどを行うことで、さらにCO2排出量を削減することができます。

※2:ガソリン車燃費を15km/l、ガソリンのCO2排出係数を2.322kg-CO2/l、電気自動車電費を6km/kWh、電気のCO2排出係数を0.452kg-CO2/kWh(東京電力エナジ―パートナーの2021年度排出係数)として算出

【社用車/公用車として電気自動車を導入するデメリット】

航続距離が短い/車種が少ない

現在、販売されている電気自動車の航続距離は概ね100km~300km程度となり、遠距離への移動に適しているとはいえません。また、車種も少なく、多量の荷物や大勢の人の運搬に適した車種はまだ販売されていません。そのため、電気自動車を導入したとしても、目的地や利用用途に応じて、ガソリン車と使い分けることが必要だと考えられます。

電気基本料金/電気受電設備に影響が出る

基礎充電を行う場合、電気自動車の充電タイミングが電力の使用ピークとなる時間と重なると電気の基本料金が上昇してしまう恐れがあります。また、既存の受電設備の電気容量と導入する電気自動車の導入台数によっては、受電設備の更新が必要になり、大きな投資が必要になる恐れがあります。そのような状況を防ぐには、既存の電気設備を把握した上で、どのように充電設備を追加するかの設計を行う必要や、充電タイミングのコントロール方法(ルール化、タイマー管理、システムによる制御等)を決定しておく必要があります。

 

「電気自動車を導入する」ということは、単に従来利用しているガソリン車から「車種を変更する」ということにとどまらず、エネルギー調達の仕組みが変わることにより「車の使い方・システムを変える」ということです。
そのような考え方を踏まえた上で、電気自動車の特性をよく理解して導入を行うことで、そのメリットを最大限に享受することができると考えています。本記事がその助けになれば何よりです。

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